カテゴリ:読みもの( 2 )

本を出版しました(← 一部誇張あり)

畑の作物には、その健やかな成長のために、一日に一度は足音を聞かせてやれ、といいます。
そう、手塩にかけたハナウタも、こう放置されるとすくすくと育ってくれません。

久々に開いてみたら、コメントはいただいているし、見知らぬサイトから訪れた形跡はあるしで、焦りました。

・・・って、A井先輩!ハナウタリンクしてるし!
だって、そちらはちゃんとした実名出しのまじめブログだし、他のリンクも
日本を変えよう!」とか、「vivid-design-thinking.」とかの、コンサル時代の元同僚(ってか大先輩)方のまじめ~なブログだし。それと同列じゃ、申し訳ないっす。
過去記事を改めて見直すと、最近のハナウタは野球ネタばっかだし。ほんとスミマセン。
開幕戦からの相変わらずの好調ぶりに(最近やや失速気味)、さてひと記事をと思っていたのを、踏みとどまってよかったというものです。

ということで、リンクに耐えうる記事を、襟を正して書かなければ。

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「わたくし、書籍を出版しました」e0030737_15133637.jpg

あ、ちょっと短縮しすぎました。
「わたくし(がかつて所属した組織が)、書籍を出版しました」
堂々のダイヤモンド社からの出版です。


私が2年前まで所属していたKnowledge Dynamics Initiative(KDI)は、組織・企業を、知識創造がつねに至るところで起きているような、そんな素敵な状態にすべく支援をするコンサル・グループです。
売上高*兆円とか、業界No.1だとか、ひと時の経済性を追うのではなく(そういうのが得意なコンサルはたくさんいらっしゃるでしょうし)、本来、企業の競争力の源泉であるはずの“革新性”を追い求めます。しかも、大事なのは、そこで働くヒトが活き活きと仕事ができているかということ。人生の大半をすごす会社での仕事がつまらないのは、精神衛生上よくないですし。
---「鶏が先か、卵が先か」という議論にもなりますが、人が自律的に活き活き仕事していない組織で、そもそも革新的な技術やサービスなんて生まれないでしょうし。


企業は、なんのために存在しているんでしょうか?
この問いは、凡人偉人天才の方々からも、さんざん語られてきています。
最近、中小企業の管理部門でいろいろ考えなきゃいけないことの多い私も、つらつらと思いをめぐらせています。

お金を稼ぐため?なら、一人で仕事したらいいですよね。
ま、そもそも稼ぐためなら、とっくに会社たたんでます(笑)。
さすがに、ここ数年の世界の経済情勢から見ても、最近は「社会のため」という議論が主流になっているようです。

そんなに小難しいことはわからない我が輩ではありますので、「社会のため」という壮大なテーマは手に負えません。
でも、わが社は小さいながらもパートさんが70人くらいいるので、「社会のため>地域のため>社員のため」くらいまで縮小すれば、理解ができます。

小さい工場ですが、パートのおばちゃんたちは、そりゃ楽しそうに仕事をしています。
家で作った野菜の即売会をやったり、みんなで生協の共同購入をやってたり、手とおしゃべりで口を高速に動かしながら、きちんと仕事をしてくれています。
子育てが終わった女性が働ける場所があることで、ちょっとした稼ぎだけれど、働かないしょーもない亭主に三行半をつきつけてたくましく生活できるようになったり、定年なんてつまらないものはないので、70歳近くなっても小遣いを稼いで、孫におもちゃを買ってあげるおばあちゃんたちがいたり。
そういうみんなが、仕事を会社を支えてくれていると思うと、小さくとも会社であるという意味があるのではないかと感じるのです。


大事なのは、企業で働くヒトは、生き物であるという当たり前なんだけれど忘れがちなことへの認識なのだと思います。
そして、ヒトが集まる組織も、その集合体の会社も、有機的な血の通った存在なのです。
まず、その基点の認識をしていることが、この執筆者であるKDIグループの大きな特徴だと思っています。

第三章に、さまざまな企業の“変革リーダー”が登場してきます。
人間の性格や個性がそれぞれ違うように、それぞれの組織には個性があり、課題が異なり、そして当然のように課題に対する解は異なります。
**メソッドとか、そんなスマートなやりかたは通じません。すべてが泥臭く、つまづいたり、迷ったりの連続です。
しかし、結局それが、革新的な活き活きとした組織にするための、一番の近道なんだと思います。

組織の運営に迷っている管理職の方はもちろんですが、仕事そのものに疑問を感じたり、迷ったり、そういうかたがたにぜひ読んでいただきたいなと思います。
前述の“変革リーダー”のかたがたと、私は仕事を通してお付き合いをさせていただきました。
彼らは、みなハートが広く暖かく、精神に余裕や遊びがあります。そんなかたがたの、人生や仕事に対する考え方を垣間見るだけでも、一読の価値はあると思います。


GW、ちょっと余裕のあるこの時期に、気持ちよく読書なんかいかがですか?
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by nattomaki27 | 2009-05-01 15:12 | 読みもの

コトづくりのちから


最近、“モチベーション”や“達成感”“やりがい”という言葉が、巷で大流行りである。
今週のプレジデント誌でも、「脱出!組織の歯車感」特集で、「仕事に前向きな日本人はわずか2%」、だなんて数字が踊っている。

のんびりしているマスコミが騒ぎ立てているくらいだから、現場では、さらに深刻な話をたくさん聞く。
ご多分にもれず、とあるクライアントとのお仕事で私のなかでもホットな話題になっているため、資料としてまとめ読みをした。
・「隠れた人材価値」チャールズ・オライリー、ジェフリー・フェファー著 翔泳社
・「コトづくりのちから」常盤文克 日経BP社
・「組織能力を活かす経営・3Mの自己超越ストーリー」 中央経済社
・「仕事中だけ「うつ」になる人たち」 小杉正太郎他 日経新聞社
・「モノづくりの極意、人づくりの哲学」 前川正雄 ダイヤモンド
・「企業のすべては人に始まる」 ウィリアム・ポラード ダイヤモンド

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なかなか良かった、「コトづくりのちから」をピックアップ。
著者は、花王の元経営者で著名な方。
中小企業の事例を出しながら、リーダー達に対して、かつての家族主義的な質の高い対話と社員同士の信頼感を取り戻し、理念と哲学を語る重要性を説いている。

最近、いわゆる大企業と接していて感じるのが、閉塞感のなか、自己の成長を感じられずに日々多忙感を抱えるだけの現場の社員(ミドルも含む)が、あまりにも多いということ。
他社に先駆け、唯一無二のサービスや製品を打ち出すために汗を流すが、気づけば、ぐるぐるとゴールのないトラックを駆け回っているだけだということに気づき、愕然とする。
その反面、最近は例えば岡野工業や旭山動物園や樹研工業など、とかくゲンキな中小企業にスポットが当たっている。そして、私の周りでも、ベンチャーに転職したり、独立し活き活きと働く友人が、驚くほど多い。

元々、零細企業の経営者の娘として育った私は、中小企業に対しての関心は高い。そして、大企業に対するわけのわからなさの感覚も強い。
もてはやされる中小企業は、外野から見ると、「そりゃ彼らがゲンキなのは、カリスマ性のあるトップがいて、社員全員とコミュニケーションがとれ、一度の会議でビジョンを語れば伝わる近さがあり、サービスや製品が単一だからなぁ、だから大企業の俺らとは違うんだ、うちみたいな会社が取り入れようとしても無理無理!」なんて、解釈されがちだ。

でも、本当にそうだろうか?ここ最近、その想いが強くなってきた矢先に、出会った書だったので、私の中でヒット。

どんな会社でも、最初は想いのあるトップや仲間たちが集まって小さく始まっている。そして会社が大きくなったって所詮、いくつかの組織の集合体である。
それぞれの小さな組織の固まりのリーダーが、中小企業のトップの集まりなんじゃないか?だから彼らリーダーは、中小企業のトップとして、
 ・ ビジョンを描き、想いを伝える
 ・ なぜコノ仕事をしているかを、社員が実感できる仕掛けをする
 ・ 仲間と働き、自分が役に立っているという喜びを実感できる仕掛けをする
ことに、邁進することが仕事になるだろう。

リーダーは業績を保証することだけが仕事なわけではなく、部下に成長している実感を持ってもらい、次世代の人材を育てることこそが、長期的な眼で見たミッションなのだと思う。
このリーダーたちの姿勢に加えて、もちろん、彼らリーダーたちに、裁量と責任を持たせる懐の深いマネジメントが、さらにトップとして求められるのだと思う。

この本は、これからリーダーを目指す私たちの世代、それから現在リーダーとしてマネジメントに悩む人々に、気づきを与えてくれる。

大企業に勤めるということ、それは大きな組織という集合体と財力とネットワークがなければ、成し遂げられない仕事を実現できるチャンスが転がっていること。せっかく、そのチャンスが目の前にあるのなら、一度試してみない手はない。

そして、そんなイカシタ組織が一つでも増やせるよう、私もお手伝いできればと思う、そんな梅雨の夜でした。
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by nattomaki27 | 2006-07-01 23:55 | 読みもの